月のうさぎ

 

 

とある国の山道で 一人たびのお坊さんが いきだおれておりました。

 

なんにちも なにも口にすることができなくて、うごけなくなってしまったのです。

 

それを見つけた さる きつね うさぎの3匹のどうぶつたちは きのどくに思い、

みんなで たべものを わけてあげることにしました。

 

さるはマンゴーの木にのぼり、実をとってきました。

 

きつねは しっぽを川にたらし、さかなをとりました。

 

でも、うさぎには草しかありません。

 

おぼうさんに にんげんのはたけからぬすんできた やさい をあげるわけにもいきません。

 

そこで うさぎは たくさんのタキギをもってきました。

 

さるも きつねも おぼうさんも、さかなをやくためのタキギだと思いました。

 

おぼうさんは言いました。

 

「ありがたいことだが、それではおまえたちがこまるだろう。」


さるときつねは言いました。

 

「わたしたちは また たべものをさがしますから、どうぞめしあがってください。」


おぼうさんはうさぎのたいた火でさかなをやき、マンゴーをたべ、

すこし元気をとりもどしました。

 

でも、おなかは いっぱいにはなりませんでした。

 

すると うさぎが おずおずときりだしました。

 

「おぼうさま、わたしは さしあげるたべものが なにもありません。

ですから、わたしの 肉をたべてください。」

 

おぼうさんは おどろいていいました。

 

「それでは おまえの いのち がなくなってしまう。」


うさぎは いいました。

 

「わたしは まいにち にんげんのはたけから さくもつをぬすんでたべていました。

おぼうさまに わたしの 肉をたべていただけば そのつみをゆるしていただけるでしょう。」


おぼうさんは やや、これは尊い うさぎ だと思い、なにやらじゅもんをとなえました。

 

するとたき火が ごおっと おとをたて 天をもこがすほどのいきおいで もえあがりました。

 

さるときつねが止めるまもなく、うさぎは火のなかに とびこみました。

 

ところが、

 

うさぎのからだは 一本の毛をこがすことなく

 

まばゆいひかりにつつまれて、すぅっとそらへまいあがり、

 

そのまま天にのぼり、月へとたどりつきました。

 

うさぎのつみは ゆるされ、そのまま月のばんにんとなったそうです。